専門看護師の現状

専門看護師は、公益社団法人日本看護協会が認定する資格である。1996年に認定がスタートし、2020年12月の時点で2,733人の専門看護師がいる。専門看護師は,
13の専門看護分野のうちの1つの分野の知識と技術に長けた看護師である。現在もっとも多いのは、がん看護の専門看護師だ。次いで多いのが精神看護である。2017年に始まった遺伝看護や、災害看護を専門とする看護師はまだ少数である。

男女の比率では男性が約11パーセント、女性が約89パーセントと女性がおよそ9割を占めている。しかし看護師全体に占める男性の割合が8パーセントであることを考えれば、専門看護師の男性の比率は看護師全体に占める男性の割合よりも高い。

専門看護師の平均年齢は44.4歳で、看護師としてのキャリアは22年前後である。専門看護師になるには看護系大学院に2年以上通い専門看護師の教育課程を修了し、通算5年以上の実務研修を必要とする。そのため看護師として10年程度働いてから大学院に進学し、14年から16年目で専門看護師の資格を取得する人が多い。

看護師として働きながら専門看護師の資格を取りたい人のために、奨学金や長期履修制度などが用意されている。しかし、仕事と勉強の両立が難しかったり進学したい大学が遠いなどの理由から、休職したり一度退職して資格取得を目指す人も少なくないのが現状だ。専門看護師の認定審査は毎年1回、10月から11月に行われる。2016年から2018年の13分野の平均合格率は、78パーセントほどである。